【書籍化】貧乏家族の転生幼女は待望の水魔法の使い手でした~愛する家族とともに枯れた領地を潤します!〜
待ちに待ったこの日がやってきた。
父アレスに頼み込み、州都の教会にて、魔法適性の確認をすることになった。
魔法適性が確認されるのは、早くて五歳、遅い者は三十歳前後と言われている。
人によって、魔法適性が芽生える時期が違う理由は不明だが、どうやら精神の成熟が影響しているらしい。
私は身体は三歳だが、前世を合わせると精神的には少なく見積もっても二十歳くらいなので、もしかしたらと思って連れてきてもらったのだ。
父には『レオナはまだ三歳だからなぁ。あと三年したら行ってみよう』と何度か断られたが、私があまりにしつこく頼み込むものだから、ついに根負けして、州都での仕事ついでに寄ってもらえることになった。
教会の中には司祭様がひとり居るのみで、他の来訪者は居ない。
寄進も必要だし、魔法適性の確認は誰でも簡単にというわけにはいかないのだろう。
「グライスナー領のアレスだ。こっちは娘のレオナ。本日は娘の魔法適性を確認していただきたい」
司祭様は糸目だ。表情から感情は読み取れない。
「かしこまりました。ではレオナ様、あちらのお部屋に。アレス様はしばしの間、こちらでお待ちいただきたく存じます」
糸目の司祭様に奥の小さな部屋を案内される。
椅子に座ると、どうやらすぐに儀式が始まるようだ。
「レオナ様、この水晶玉に手をかざしてください」
「は、はい」