フィクションですよね⁉︎〜妄想女子の初恋事情〜
SNSは、現実世界ではやや浮きがちでいつもどこか自信のない楓が、唯一本当の自分でいられる、大事な大事な居場所なのだ。
少しだけれど、よく交流するユーザーがいて、その人たちとの関係も断ち切ることになってしまうからだ。
新しいアカウントに【※元カエデちゃんです!】 と書けば、元の人たちともまた繋がれるかもしれないが、それじゃ伊東にもバレるし意味がない。
「くそう、リア充おばけ! サイテー男!」
そば打ちのごとく枕をベッドにバシンバシンと打ち付けていると、スマホが鳴った。
妹の早苗(さなえ)からの着信だ。
《もしもしお姉ちゃん、来月の最終週、そっち行くから泊めて〜!》
挨拶もなく用件から入るのはいつものことだ。
《就職説明会があってさ》
四つ下の彼女は地元の大学に通っている。もっか就職活動中である。
「……それはいいけど、早苗、東京(こっち)で就職するの?」
《んーできれば。だって地元にいたってパッとしないし》
早苗は楓とは正反対の性格で交友関係が広く暇があれば外に出て遊び回っている。活字は苦手だと言って、漫画は読むが小説は読まない。
あまりにも違うのでお互いに別種族の生き物のような感覚で話すからか、小さい頃からほとんど喧嘩はしなかった。
姉妹の仲はいい方だ。
「何日くらい?」
《説明会は一日で終わるけどせっかくなら遊びたいから一週間は泊まるつもり。お姉ちゃん、東京観光に連れてってよ。スカイツリー 、お台場、六本木ヒルズ!》
「案内は無理だよ。私も行ったことないし」
楓が就職のために上京したのが約三年前。
でも早苗と違ってキラキラを求めての選択ではなかったので、そういう場所には行っていない。
興味がないわけではないけれどひとりで行くような場所でもないし。
《もったいないなぁ、もう。なんのために上京したの?》
「え、就職のためだけど」
《とにかく行こうよ! ね》
少しだけれど、よく交流するユーザーがいて、その人たちとの関係も断ち切ることになってしまうからだ。
新しいアカウントに【※元カエデちゃんです!】 と書けば、元の人たちともまた繋がれるかもしれないが、それじゃ伊東にもバレるし意味がない。
「くそう、リア充おばけ! サイテー男!」
そば打ちのごとく枕をベッドにバシンバシンと打ち付けていると、スマホが鳴った。
妹の早苗(さなえ)からの着信だ。
《もしもしお姉ちゃん、来月の最終週、そっち行くから泊めて〜!》
挨拶もなく用件から入るのはいつものことだ。
《就職説明会があってさ》
四つ下の彼女は地元の大学に通っている。もっか就職活動中である。
「……それはいいけど、早苗、東京(こっち)で就職するの?」
《んーできれば。だって地元にいたってパッとしないし》
早苗は楓とは正反対の性格で交友関係が広く暇があれば外に出て遊び回っている。活字は苦手だと言って、漫画は読むが小説は読まない。
あまりにも違うのでお互いに別種族の生き物のような感覚で話すからか、小さい頃からほとんど喧嘩はしなかった。
姉妹の仲はいい方だ。
「何日くらい?」
《説明会は一日で終わるけどせっかくなら遊びたいから一週間は泊まるつもり。お姉ちゃん、東京観光に連れてってよ。スカイツリー 、お台場、六本木ヒルズ!》
「案内は無理だよ。私も行ったことないし」
楓が就職のために上京したのが約三年前。
でも早苗と違ってキラキラを求めての選択ではなかったので、そういう場所には行っていない。
興味がないわけではないけれどひとりで行くような場所でもないし。
《もったいないなぁ、もう。なんのために上京したの?》
「え、就職のためだけど」
《とにかく行こうよ! ね》