フィクションですよね⁉︎〜妄想女子の初恋事情〜
お家デート、からの…?
記念すべきはじめてのお家デートは、倫の家の最寄駅で十一時に待ち合わせだった。伊東のマンションは会社から二駅という好条件の場所にあった。
楓と同じひとり暮らしと聞いていたから、てっきり自分と同じようなワンルームかと思っていたけれど意外にも、しっかりとした造りのファミリー層向けマンションだった。
案内されたリビングにて、思わず楓は声をあげた。
「わ、広い」
「そう?」
「広いですよ。すごいですね」
ファミリーで住むなら普通だが、ひとり暮らしだとずいぶんゆとりがある。
同じ会社の社員なのに、営業と経理はそんなに差が?
などと考えていると、彼は肩をすくめた。
「オーナーが叔父なんだ。だから安く借りられてるだけ」
インテリアは、男性のひとり暮らしらしく全体的にモノトーンの家具で統一されている。
本当にお家デートがはじまるのだと実感して、ドキドキした。
今日の彼は、この前よりも少しラフな服装で、髪もかっちりとはセットされていない。スーツの時もカッコいいけれど、オフという感じが特別感をかもし出している。
彼のこういう姿は、会社の他の人は知らないのだと思うと、妙に嬉しかった。
なんていうか優越感? 変な感じの嬉しさだ。
そんなことを考えていると。
「さっそく、俺の部屋を舞台に妄想か?」
からかうように尋ねられた。
「そうじゃなくて」
楓はくすくすと笑った。いつものやり取りに、緊張が少し解けた。
「やっぱり伊東さんカッコいいなぁって思ってたんです。スーツじゃないのもすごくいい。リラックスしてる感じが……会社の人たちはこういう伊東さんを知らないだって思ったらなんか優越感。これがお家デートの醍醐味なのかななんて思って」
そこで伊東が驚いたように目を見開いたのに気がついて言葉を切る。彼のその反応に、自分の間違いに気がついた。
楓と同じひとり暮らしと聞いていたから、てっきり自分と同じようなワンルームかと思っていたけれど意外にも、しっかりとした造りのファミリー層向けマンションだった。
案内されたリビングにて、思わず楓は声をあげた。
「わ、広い」
「そう?」
「広いですよ。すごいですね」
ファミリーで住むなら普通だが、ひとり暮らしだとずいぶんゆとりがある。
同じ会社の社員なのに、営業と経理はそんなに差が?
などと考えていると、彼は肩をすくめた。
「オーナーが叔父なんだ。だから安く借りられてるだけ」
インテリアは、男性のひとり暮らしらしく全体的にモノトーンの家具で統一されている。
本当にお家デートがはじまるのだと実感して、ドキドキした。
今日の彼は、この前よりも少しラフな服装で、髪もかっちりとはセットされていない。スーツの時もカッコいいけれど、オフという感じが特別感をかもし出している。
彼のこういう姿は、会社の他の人は知らないのだと思うと、妙に嬉しかった。
なんていうか優越感? 変な感じの嬉しさだ。
そんなことを考えていると。
「さっそく、俺の部屋を舞台に妄想か?」
からかうように尋ねられた。
「そうじゃなくて」
楓はくすくすと笑った。いつものやり取りに、緊張が少し解けた。
「やっぱり伊東さんカッコいいなぁって思ってたんです。スーツじゃないのもすごくいい。リラックスしてる感じが……会社の人たちはこういう伊東さんを知らないだって思ったらなんか優越感。これがお家デートの醍醐味なのかななんて思って」
そこで伊東が驚いたように目を見開いたのに気がついて言葉を切る。彼のその反応に、自分の間違いに気がついた。