皇太子妃を公募で決めるなんて聞いてません~見返す為に応募したのに皇太子殿下に心奪われてしまいました~
これが、アレシオ殿下の愛の証。

身体の奥まで、彼が刻み込まれていく。

「嬉しい……嬉しいよ、セラフィーヌ。」

彼の声が震えていた。

私は誰よりも近い距離で、彼の愛を感じている。

その熱も、震えも、息遣いも──全部。

一夜限りの夢かもしれない。

けれど、私はこの夜を一生忘れない。

今だけは、彼のすべてを、私の中で受け止めたかった。

「もう一度、愛してもいい?」

アレシオ殿下の囁きに、私はただ頷くことしかできなかった。

拒めるはずがない。この胸の奥まで満たされるような愛を、どうして拒めるだろう。

再び彼の熱が私を包み、名を呼ぶ声が切なさを帯びる。

「セラフィーヌ……セラフィーヌ……」

その声に、心が震えた。

「ごめん。こんなに何度も求めて……結婚前なのに。」

アレシオ殿下の言葉に、私は静かに首を横に振った。

「私が、望んだことです。」
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