皇太子妃を公募で決めるなんて聞いてません~見返す為に応募したのに皇太子殿下に心奪われてしまいました~
「はい、セラフィーヌは、俺の愛を確かに受け止めてくれました。」

真っ直ぐな眼差しでそう告げたアレシオ殿下に、お父様の顔が強張る。

「……娘の純潔を、奪ったというのですか⁉」

怒りに震える声が部屋を満たす。

「申し訳ありません。しかし、すべての責任はこの身に受ける覚悟です。」

アレシオ殿下は一歩も引かず、頭を下げた。

その瞬間、椅子を蹴って立ち上がったお父様は、憤然とアレシオ殿下の胸ぐらを掴んだ。

「お父様、やめてください!」

私は慌てて二人の間に入ろうとしたが、お父様が鋭く手を上げて制した。

「貴殿が皇太子でなければ、即刻叩き出していた! 国王陛下に抗議します。娘の名誉を踏みにじった件、断じて見過ごせぬ!」

唇を震わせながら、そう叫ぶお父様に、アレシオ殿下は静かに言った。
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