皇太子妃を公募で決めるなんて聞いてません~見返す為に応募したのに皇太子殿下に心奪われてしまいました~
「……そのつもりで参りました。セラフィーヌを妃として迎える覚悟で、正式に王命をいただきます。」

一瞬、空気が凍りついた。

その言葉の重みに、お父様の手が僅かに震えたまま、動きを止めた。

「セラフィーヌの責任を取って、皇太子妃に迎えるというのですか!」

お父様の怒声が響く中、アレシオ殿下は一歩も退かずに答えた。

「はい。覚悟はできております。男として、純潔を奪った責任を必ず取ります。」

お父様はその場で殿下をぐいと引き離し、鋭く問い詰めた。

「では聞きます。他の二人──エミリア嬢とマリアンヌ皇女にも、同じ言葉を言えますか?」

その言葉には、娘の将来を案ずる父親の鋭い怒りが込められていた。

だがアレシオ殿下は、まっすぐにお父様を見据えた。

「はい。誠意を持って、お二人にはお伝えいたします。私はセラフィーヌを愛したと」

しんと静まり返る空気の中、お父様は苦悩に顔を歪めた。
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