皇太子妃を公募で決めるなんて聞いてません~見返す為に応募したのに皇太子殿下に心奪われてしまいました~
けれど私は、揺らがなかった。

「でも……欲情の末に妃に選ばれたと言われたくありません。」

殿下の目が揺れる。

「私は誇りを持って、この国の皇太子妃として選ばれたいのです。それが、私の覚悟であり──アレシオ殿下のためでもあります。」

私の想いに、殿下は強く頷いた。

数日後、エミリアが突然、私の屋敷を訪れた。

「聞いたわ、セラフィーヌ。あなたが一晩、アレシオ殿下と共に過ごしたと。」

その言葉に胸が締めつけられた。

「……否定はしないわ。」

裏切ることになると分かっていても、嘘だけはつきたくなかった。

エミリアは穏やかな微笑を浮かべた。けれど、その奥にある哀しみは隠せなかった。

「殿下は……あなたに恋をしたのね。」

私は言葉を失った。何も、言えなかった。

すると彼女はふっと目を伏せた。

「私もね、アレシオ殿下を誘ったことがあるのよ。」

「えっ……?」

信じられず見つめると、エミリアは苦しげに言葉を続けた。
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