皇太子妃を公募で決めるなんて聞いてません~見返す為に応募したのに皇太子殿下に心奪われてしまいました~
「どうするの? 応募用紙、書くんでしょ?」

リディアの言葉は、まるで小さな鞭のようだった。

私は黙ったまま、視線をテーブルに戻した。

応募用紙の空欄が、じっとこちらを見返してくるようで、どうしてもペンを走らせられない。

「……気持ちは、決まってるのよ。でも……」

その先が言えなかった。

“受かる自信がない”なんて、今さら口にしたくない。

でも、“自信がある”と言い切れるほど、強くもなかった。

そんな私を見て、リディアがぱっと笑顔を見せた。

「じゃあ、明日。私が応募用紙を提出するから──セレフィーヌも一緒に受付、見学に来ない?」

「受付?」

私は思わず聞き返した。

「わざわざ、見学するものなの?」

イザベルも驚く。

「書類を渡すだけでしょ? 窓口に出して、それで終わりじゃ……」

リディアはニヤリと笑った。

「何でも、明日は──アレシオ殿下ご自身が受付を“見届ける”らしいのよ。」
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