皇太子妃を公募で決めるなんて聞いてません~見返す為に応募したのに皇太子殿下に心奪われてしまいました~
再び、拍手が鳴り響く。

それは堂々たる評価であり、誰もが納得せざるを得ない実力の証明だった。

「そして、皇太子殿下との──愛情表現についてですが。」

試験官の一言に、会場の空気がわずかに変わった。マリアンヌ皇女が、ピクリと肩を揺らす。

「そのような試験科目は……なかったはずですが。」

凛とした声で返すマリアンヌ皇女に、試験官は少し難しい表情を浮かべた。

「ええ、確かに明文化された試験ではございません。しかし、これは我々審査員が、審問や演説、諸々の態度から感じ取るしかない部分であります。」

会場の視線が、自然とマリアンヌ皇女へ集まる。

彼女は口元を引き結び、両手をきゅっと握り締めた。

「殿下への敬意と親しみは、確かにございます。けれど、それが同じ王族としての“親愛”なのか──それとも、“恋人”としての愛情なのか……私自身、明確に申し上げるのは難しいところです。」
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