皇太子妃を公募で決めるなんて聞いてません~見返す為に応募したのに皇太子殿下に心奪われてしまいました~
「このまま君と婚約して、本当に愛情が育まれるのか……それが不安だった。」

会場が静まり返る中、アレシオ殿下は一歩、私に近づいた。

「俺は、政略結婚の犠牲になることが、怖かったんだ。だから、公募という形をとった。せめて、自分で選びたかった。──愛せる人を。」

私は胸が熱くなるのを感じた。あの冷たく見えた公募には、彼なりの覚悟と優しさがあったのだと。

「だけど……いつしか君が、どんな候補よりも輝いて見えた。どんな立派な言葉より、君の“まっすぐな想い”が、俺の胸を打ったんだ。」

アレシオ殿下は、膝をついた。会場に、息を呑む音が広がる。

「だから、今この場で……君に問いたい。」

殿下は私の手を取り、まっすぐに見つめた。

「君は、本当はどう思っているのか。」

アレシオ殿下の瞳が、真っ直ぐに私を射抜いた。

皇太子としてではない、一人の男として──心からの問いかけだった。
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