皇太子妃を公募で決めるなんて聞いてません~見返す為に応募したのに皇太子殿下に心奪われてしまいました~
──やがて、王族の結婚は政略結婚であるべき、という従来の価値観に疑問を抱く声が上がり始めた。

「愛のある結婚でも、国は治まるのでは?」

「むしろ、愛し合っているからこそ、民に誠実な政治ができるのではないか?」

そんな意見が、王宮の中でも密かに、しかし確実に広まっていった。

そしてある日の午後──

「はぁ〜……あーもう、兄上のせいだ。」

第2皇子、アシュトン殿下が大げさにため息をついた。

「何かあったんですか、アシュトン殿下?」

私が尋ねると、彼は芝生にごろんと寝転び、空を見上げながら嘆いた。

「“皇子の結婚は自由恋愛でいいらしい”って噂が王都中に広がってるんだよ。兄上のせいで、俺にも変なお見合い話が来なくなった。『あなたも恋に生きるおつもりで?』ってさ!」

「……それは、いいことなのでは?」

アレシオ殿下が肩をすくめる。
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