皇太子妃を公募で決めるなんて聞いてません~見返す為に応募したのに皇太子殿下に心奪われてしまいました~
「立場なんて、もう気にしなくていいわ。想いを伝えることを、誰にも止められない。」

アシュトン殿下がゆっくりとケイシーの元へ歩み寄った。

「ケイシー……今日、君に伝えたいことがある。」

「……アシュトン殿下?」

「いや、今日は“殿下”としてではなく、ただの一人の男として言うよ。」

アシュトン殿下の声が震える。けれど瞳は真っ直ぐだった。

「君を愛している。どれだけ身分に壁があろうと、俺の心は変わらない。」

ケイシーの唇が震え、目に涙が浮かんだ。

「あらあら、情熱的な愛の告白だこと。」

澄んだ声が響いた瞬間、私はハッとして後ろを振り返った。

「王妃陛下──!」

私とケイシーは慌ててその場に跪き、丁寧に礼を取った。

「どうぞ、お気になさらずに。」

王妃陛下は優雅に手を上げ、私たちの礼を受け止めるように微笑んだ。
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