皇太子妃を公募で決めるなんて聞いてません~見返す為に応募したのに皇太子殿下に心奪われてしまいました~
「セラフィーヌ様、なぜ私を……?皇太子殿下の婚約者であるあなたが王宮に出入りするのは当然です。でも、私のような者が来てよい場所では……」

ケイシーは明らかに戸惑いと不安を抱えていた。

周囲に“分をわきまえない令嬢”と後ろ指をさされることを、恐れていたのだ。

だからこそ、私ははっきりと告げた。

「大丈夫よ。あなたはもう、私の大切な友人だから。」

その言葉にケイシーは目を丸くした。

けれど私はそれ以上何も言わず、彼女を庭園へと連れて行った。

柔らかな陽光が花々を照らす庭園の中心──。

「えっ……?ケイシー?」

そこには、すでにアレシオ殿下に連れられて来ていたアシュトン殿下がいた。

ケイシーの瞳が驚きに見開かれる。

アシュトン殿下も同様に、目の前のケイシーを見て一瞬言葉を失っていた。

「どうして……」

ケイシーが震える声を漏らすと、私がそっと背中を押す。


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