皇太子妃を公募で決めるなんて聞いてません~見返す為に応募したのに皇太子殿下に心奪われてしまいました~
私はぎゅっと手を握った。

「何よりも、アレシオがセラフィーヌを愛していると感じていたからよ。」

私は心が熱くなった。

「私もただの母親よ。息子には本当に愛している人と結ばれてほしいわ。」

ケイシーが泣き始めた。

「ケイシー、あなたもアシュトンの事を愛しているのね。」

王妃の優しい声が響いた。

ケイシーは涙に濡れた瞳で、震える声を絞り出す。

「はい。私はアシュトン殿下を、心から愛しています。」

その言葉に、アシュトン殿下はそっとケイシーの手を握った。

「ありがとう。……俺も、ずっと君だけを見ていた。」

ふたりの手が重なった瞬間、静かに見守っていた王妃は、ゆっくりと頷いた。

「――素敵な手ね。」

王妃の言葉に、ケイシーの頬が赤らむ。

けれどその目は、真っすぐにアシュトン殿下を見つめていた。

「身分や立場、格式なんて、時に人の心を縛るけれど……本物の愛は、それを超えるものよ。」

その言葉に、私は思わず胸が熱くなる。
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