皇太子妃を公募で決めるなんて聞いてません~見返す為に応募したのに皇太子殿下に心奪われてしまいました~
小さく息を吐いた彼は、まるで独り言のように呟いた。

「どういう教育を受ければ、こんな優秀な成績になるんだ……」

私は胸を張って答える。

「すべては、皇太子妃になるためです。」

その言葉には、これまでの努力と、屈辱を跳ね返すだけの誇りが詰まっていた。

アレシオ殿下は、ふと目を上げて私を見た。

「演説もExcellent?……君の頭を、一度覗いてみたいくらいだ。」

「どうぞ。ご勝手に。」

皮肉とも冗談ともつかぬ返しに、殿下はふっと笑みを漏らした。

「何か?」

思わず問い返すと、彼は肩を揺らして笑いながら言った。

「いや、鎖は付いてないんだなと思って。」

「……っ!」

一気に顔が熱くなる。

「そ、そういうご趣味ですか、殿下!」

言ってから、自分の言葉の突飛さに恥ずかしさが倍増する。

彼はますます笑いを深め、手で口元を覆った。

「ふふ……いや、安心しただけだよ。君が自分の意思で来てくれたことにね。」
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