皇太子妃を公募で決めるなんて聞いてません~見返す為に応募したのに皇太子殿下に心奪われてしまいました~
その声には、嫉妬でも憎しみでもない、どうしようもない苦しさがにじんでいた。

「あなたが努力していないとは思っていない。むしろ……私よりずっと、まっすぐで、強い。でも……」

エミリアは顔を上げた。

「私は、ずっと隣にいたのよ。アレシオ殿下の側に。彼の笑い方も、怒り方も、全部知っている。なのにどうして、私は“選ばれる立場”にもなれなかったの……?」

涙が一筋、頬を伝った。

私は言葉を失ったまま、その涙を見つめていた。

やがて、彼女は微笑んだ。

あまりにも弱くて、痛々しい笑顔だった。

「……ごめんなさい。こんな話をしてしまって。

「いいのよ。だって応募受付の段階で……アレシオ殿下はエミリアを選ぶ為に公募にしたって、そんな噂が広がっていたのよ?」

「えっ……?」

私の言葉に、エミリアの瞳が大きく見開かれた。

信じられないとでも言いたげなその反応に、私は思わず眉をひそめた。
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