皇太子妃を公募で決めるなんて聞いてません~見返す為に応募したのに皇太子殿下に心奪われてしまいました~
「明日が第2試験なのに、最後の練習はしなくてもいいの?」

応接室でお茶を出しながらそう尋ねると、彼女は静かに頷いた。

「……セラフィーヌ嬢だから、言えるのだけれど」

言葉とは裏腹に、その細い肩がわずかに震えていた。

「私……あなたが皇太子妃候補だと知って、思わず……言ってしまったの。」

私は紅茶のカップを置き、彼女を見つめた。

「何を?」

「“それは不公平だ”と……。私が、誰よりもアレシオ殿下をお慕いしているのに。なのに家柄だけで、あなたと結婚できないなんてって……」

それは──罪の告白だった。

「それを……殿下に?」

彼女は目を伏せて、こくりと頷く。

「なのに……本当に公募にしてしまったの。まるで、私を試すかのように。」

私は息を飲んだ。

「それだけじゃないわ。あなたはあっさりと、公募に応じて、筆記試験も……軽々と、私を抜いてしまった。」
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