半妖の九尾の狐は神巫女を独占中
玖夜様と契りを交わしてから、どのくらいが経っただろうか。
年月を経ても、私の玖夜様へ対する想いは変わっていなかった。
それは玖夜様も同じようで、幸せな日々を過ごしている。
私と玖夜様の結婚式は大規模では行わず、ひっそりと行われた。
その日は晴れているのにも関わらず、小雨が降っていた。
狐の嫁入りとも呼ばれるその天気は、私たちの門出を祝福してくれているようで2人で微笑みあったことを今でも覚えている。
そして、今日は結婚式が行われた日付の日だ。
社から見える夜空はとても澄んでいて、月がとても綺麗に見える。
玖夜様もそう感じたのか、縁側で月見酒をしていた。
「玖夜様、ご一緒しても?」
「あぁ、いいよ。一緒にお酒を飲もう」
「いえ、私はこれで」
そう言っておちょこを持ってこようとする玖夜様。
だけど私はそれを断り、あらかじめ持ってきていたお茶を口にする。
私はもう既に飲める歳だし、お酒も好きだ。
だけど、飲まないのには理由があった。
「悠乃、飲まないのかい?君も月見酒は好きでしょう?」
「飲まないんじゃなくて、飲めないんですよ」
玖夜様の問いかけに、意味深な言葉で返す。
そして、私は自分のお腹に手を当てた。
玖夜様ならこの言葉で気付くだろう、そう考えて。
「っ・・・!!もしかして・・・!!」
「はい。妊娠3ヶ月目です」
玖夜様がハッとしたような顔を浮かべたのを笑って見つめながらそれを肯定する。
玖夜様はその事実を伝えると、喜びを噛み締めるように私の事を勢いよく抱き締めた。
力強く抱き締められて少しだけ苦しいけど、それだけ嬉しがっていると考えると嫌ではない。
「そうなったら名前を考えないとね。あと、子供服も買わなきゃ」
「玖夜様、気が早いですよ。男の子か女の子かもわかってないんですから」
ウキウキとしている玖夜様を微笑ましく思いながら今にも買い出しに行きそうな玖夜様を止める。
だけど、こんな反応をされると嬉しいものだ。
「・・・ねぇ、悠乃」
「なんですか?」
「幸せだね、好きな人と結ばれて、家族が出来るのって」
「ふふっ、そうですね」
幸せそうに笑う玖夜様に微笑んで同意する。
私も、幸せを噛み締めた。
これから先も玖夜様の隣で歩んでいけるという、幸せを。
年月を経ても、私の玖夜様へ対する想いは変わっていなかった。
それは玖夜様も同じようで、幸せな日々を過ごしている。
私と玖夜様の結婚式は大規模では行わず、ひっそりと行われた。
その日は晴れているのにも関わらず、小雨が降っていた。
狐の嫁入りとも呼ばれるその天気は、私たちの門出を祝福してくれているようで2人で微笑みあったことを今でも覚えている。
そして、今日は結婚式が行われた日付の日だ。
社から見える夜空はとても澄んでいて、月がとても綺麗に見える。
玖夜様もそう感じたのか、縁側で月見酒をしていた。
「玖夜様、ご一緒しても?」
「あぁ、いいよ。一緒にお酒を飲もう」
「いえ、私はこれで」
そう言っておちょこを持ってこようとする玖夜様。
だけど私はそれを断り、あらかじめ持ってきていたお茶を口にする。
私はもう既に飲める歳だし、お酒も好きだ。
だけど、飲まないのには理由があった。
「悠乃、飲まないのかい?君も月見酒は好きでしょう?」
「飲まないんじゃなくて、飲めないんですよ」
玖夜様の問いかけに、意味深な言葉で返す。
そして、私は自分のお腹に手を当てた。
玖夜様ならこの言葉で気付くだろう、そう考えて。
「っ・・・!!もしかして・・・!!」
「はい。妊娠3ヶ月目です」
玖夜様がハッとしたような顔を浮かべたのを笑って見つめながらそれを肯定する。
玖夜様はその事実を伝えると、喜びを噛み締めるように私の事を勢いよく抱き締めた。
力強く抱き締められて少しだけ苦しいけど、それだけ嬉しがっていると考えると嫌ではない。
「そうなったら名前を考えないとね。あと、子供服も買わなきゃ」
「玖夜様、気が早いですよ。男の子か女の子かもわかってないんですから」
ウキウキとしている玖夜様を微笑ましく思いながら今にも買い出しに行きそうな玖夜様を止める。
だけど、こんな反応をされると嬉しいものだ。
「・・・ねぇ、悠乃」
「なんですか?」
「幸せだね、好きな人と結ばれて、家族が出来るのって」
「ふふっ、そうですね」
幸せそうに笑う玖夜様に微笑んで同意する。
私も、幸せを噛み締めた。
これから先も玖夜様の隣で歩んでいけるという、幸せを。


