近くて、遠い、恋心
「夏菜、勝手にキスしてごめん。でも、もう偽らないって決めたんだ。ずっと好きだった。夏菜に背中を押された、あの時から」
「うそ……、だって、だって……、そんなそぶりなかった」
「だって妹に恋している兄なんて気持ち悪いだけだろ。本当、父さんの結婚相手の娘が夏菜だって知った時は運命を呪いたくなったよ」
運命の冬、理人もまた私と同じように恋した人と家族になる絶望を感じていた。それが真実なら、そんな嬉しいことはない。
でも私の頭の中で疑心暗鬼がささやく。
じゃあ、なぜ理人は家族という形にこだわったのか?
「うそよ、そんなのありえない。だってお兄ちゃんはずっと家族って形にこだわっていたじゃない」
「あぁぁ、あれは……、夏菜を家族って檻に閉じ込めるためだよ」
「えっ……」
「兄って立場なら、ずっと夏菜の側にいられると思った。でも結局、夏菜は家族っていう鳥かごから飛び出していく。夏菜を失うとわかって自分の過ちに気づくなんて遅いのにな。本当は夏菜を手放さないといけないってわかっている。でも、無理なんだ」
理人の言葉一つ、一つが降り積もり暗く澱んだ心を溶かしていく。
「夏菜、愛している。この嘘偽りない心をどうか受け止めて欲しい」
家族という形を守る方便なんかじゃない。
理人に愛されていた。
妹ではなく、一人の女性として愛されていた。
積年の想いが心からあふれ出す。
「理人、愛しているの。理人の走る姿を見たあの日からずっと……、あなただけに恋している」
「やっと、理人って呼んでくれたな。夏菜、愛している」
肉感的な唇に唇を塞がれ、二つの想いが熱く交わる。それは、長年隠し続けた想いがやっと報われた瞬間だった。
「うそ……、だって、だって……、そんなそぶりなかった」
「だって妹に恋している兄なんて気持ち悪いだけだろ。本当、父さんの結婚相手の娘が夏菜だって知った時は運命を呪いたくなったよ」
運命の冬、理人もまた私と同じように恋した人と家族になる絶望を感じていた。それが真実なら、そんな嬉しいことはない。
でも私の頭の中で疑心暗鬼がささやく。
じゃあ、なぜ理人は家族という形にこだわったのか?
「うそよ、そんなのありえない。だってお兄ちゃんはずっと家族って形にこだわっていたじゃない」
「あぁぁ、あれは……、夏菜を家族って檻に閉じ込めるためだよ」
「えっ……」
「兄って立場なら、ずっと夏菜の側にいられると思った。でも結局、夏菜は家族っていう鳥かごから飛び出していく。夏菜を失うとわかって自分の過ちに気づくなんて遅いのにな。本当は夏菜を手放さないといけないってわかっている。でも、無理なんだ」
理人の言葉一つ、一つが降り積もり暗く澱んだ心を溶かしていく。
「夏菜、愛している。この嘘偽りない心をどうか受け止めて欲しい」
家族という形を守る方便なんかじゃない。
理人に愛されていた。
妹ではなく、一人の女性として愛されていた。
積年の想いが心からあふれ出す。
「理人、愛しているの。理人の走る姿を見たあの日からずっと……、あなただけに恋している」
「やっと、理人って呼んでくれたな。夏菜、愛している」
肉感的な唇に唇を塞がれ、二つの想いが熱く交わる。それは、長年隠し続けた想いがやっと報われた瞬間だった。