そのお悩み、私たちの能力で解決します!
翌日の放課後。
私、蓮詞、椿妃ちゃん、そして陽斗くんは、みどり公園にいた。
「旭日くん、来てくれるでしょうか……」
不安そうに眉を下げる椿妃ちゃん。
「そうだな……。五月はああ見えて少し頑固なところがあるからな」
蓮詞も落ち着きなく眼鏡を上げる。
陽斗くんもそわそわと辺りを見回した。
そんな三人に、私ははっきりと言う。
「五月くん、絶対に来るよ!」
「え……?」
「未来でも予知したのか?」
蓮詞の質問に私は首を振る。
「ううん。そうじゃないけど、絶対来るって思うの」
私は強く言い切った。
五月くんは絶対に来る。陽斗くんに会いに来てくれる。
そうして待つこと数分。
みどり公園の入り口に五月くんが現れた。
気まずそうに、ひらりと手を挙げる。
「よお、陽斗……」
その笑顔はとてもぎこちない。
「五月……五月……っ!!」
陽斗くんはたどたどしく五月くんに駆け寄る。
「五月っ!ごめんっ!本当にごめん……っ!!僕、ひどいこと言った!五月に八つ当たりしたんだ!本当にごめんっ!!」
陽斗くんの頬に涙が伝う。
五月くんはそれを困ったように見ていた。
「ずっと謝りたかった……っ!喧嘩別れなんて絶対に嫌だよ……っ。許してくれなくてもいいんだ。でも、やっぱり……ずっと、会いたかった!」
五月くんにしてはめずらしくぼそぼそと言葉を紡ぐ。
「俺こそ、なにも言わずに引っ越してごめん……。俺だけが、陽斗を救えたのに、それができなかったことをずっと後悔してた……」
陽斗くんはぶんぶんと首を横に振る。
「五月のせいじゃないよ、僕がどんくさかっただけ。それに今、僕は、―――」
ふたりを見守っていた私の脳内に、鮮明な映像が流れはじめる。
それはこのみどり公園のこの場所。
急にスケボーに乗った高校生らしき二人の男子がやってきて、よそ見していた二人が陽斗くんにぶつかるというもの。
これは、5秒後に起きる未来。
陽斗くんはあまり足がよくない。
歩いたりする分にはなんの問題もないみたいだけど、とっさに走ったりするのは難しい。
映像が終わって、私はなにも考えずに五月くんたちに向かって叫んでいた。
「五月くん!陽斗くん!避けてっ!!」
その言葉と同時に、ものすごい勢いでスケボーに乗った男子二人が公園に入ってくる。
五月くんは私の声に瞬間的に高速移動の能力を使って、陽斗くんと一緒にこちらに移動した。
けれど、よそ見をしていた高校生二人は今度は公園の木にぶつかりそうになって―――。
木にぶつかる寸前、椿妃ちゃんがひょいっと二人の首根っこを掴んで持ち上げた。
にこにこしながら、低い声で高校生の二人に言う。
「ここはスケボー禁止ですよ?怪我したら、危ないですからね……?」
椿妃ちゃんに軽々と持ち上げられた男子高校生二人は、「ごめんなさああああい!」と謝りながら、慌てて公園を出て行った。
「椿妃ちゃん!ナイスプレー!」
「はいっ!桜彩の未来予知のおかげですっ」
私と椿妃ちゃんはハイタッチをする。
五月くんたちを見ると、ちょうど五月くんが陽斗くんをベンチに座らせたところだった。