売られた令嬢、冷たい旦那様に溺愛されてます
「……俺に、合わせろ。」

「えっ……?」

「他の男に変われたら、お前は“奴隷”にされる。──でも、俺のところに来れば、そんなことはしない。」

その言葉に、心がかすかに揺れた。

まさか……この人は──私を“救おう”としている……?

「いいな。感じている振りをしろ。」

その声は冷たく響いたけれど、どうしてだろう──私は、頷いていた。

次の瞬間、クライブの口づけが、私の胸元へと下りていく。

露出の多いドレスをはだけさせると、柔らかな胸の上に唇が触れた。

「んんっ……!」

初めての感覚に、反射的に背筋が跳ねた。

熱く、くすぐったく、だけど拒絶ではない何かが体を駆け抜ける。

「声を殺すな。」

「……っ!」

「“楽しんでいる”振りを、するんだ。」

命令のような声に、私は歯を噛みしめた。

なのに──その声すらも、どこか苦しげだった。

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