年下上司に懐かれましたがその人には好きな人がいて…そんなあなたの気持ちが知りたいです。
全治まで
朝になり、千羽弥が目を開けると皇平くんはまだ目を瞑っていた。
あれからは眠れたみたいね。
時刻は8時、病院に行く支度をしなくちゃとゆっくりベッドから降りた。
「…ん、朝?」
「うん、寝れた?」
「……うん」
「朝ごはん作るからもう少し寝ててもいいよ」
「ん、ごめん」
朝食の支度を終えて寝室に行くと皇平くんは起きていてスマホを見ていた。
千羽弥に気づくと両手を出して立たせてという仕草をする。
仕方ないなぁと千羽弥は手を引っ張り皇平くんを立たせた。
くるりと千羽弥を回転させると後ろから腕を回してくる。
「ゆっくり歩いて」
と耳元で囁いてくる。
いい声だ。
「じゃあ右からね」
「うん(笑)」
リビングのクッションに座らせてテーブルを前に置き、朝食を運んで来た。
「ミルクはもう食べてるね、可愛いなぁ」
「ミルクは朝が早いからね、私はもう少し寝たい時もあるんだけどゲージでくぅーんて鳴くから起きなきゃって思うの」
ご飯を食べながらここの病院に行こうと思うとスマホを見せられた。
整形外科でも入院からリハビリまでしっかりとした流れがホームページに書いてあり、新しめの病院だった。
「入院が4、5日でっていうのが大きくて、リハビリに通いながら仕事に行けるからさ、会社からも近いし」
「リハビリで歩いて行く?(笑)」
「それもいいかも、でもやっぱりどのサイト見ても日常生活は最短2ヶ月なんだよな」
「あっという間だよ」
食事を下げて千羽弥は出かける支度を始めた。