年下上司に懐かれましたがその人には好きな人がいて…そんなあなたの気持ちが知りたいです。
偶然
1時間後に千羽弥は副社長室に入っていった。
「副社長、夕方にミルクのトリミングを予約してるので副社長を家に送ったんでいいですか?」
「え?見たい」
「は?」
「だから見たい」
「家で大人しくしてた方が…」
「帰っても1人だし…千羽弥さんとミルクと居たい」
千羽弥は時計を見た。
「とりあえずは帰りましょう」
車に乗り、副社長に家を聞くも教えてくれないのだ。
仕方なく千羽弥の家に帰ってきた。
「ミルク〜、ただいま」
「それは私のセリフですよ、副社長」
「ゲージから出してもいい?」
「いいですよ」
「ミルク〜、ちゅっ!可愛いなぁ」
「じゃあ、これを付けてください」
リードを渡された。
「近く?」
「はい、歩きです、皇平くんはお留守番していて下さいね」
「え〜、俺も行きたい…」
「歩けるんですか?」
「あ、歩く」
「じゃあ、出ますよ」
「はい」
ふふっ、子供みたい……
小さな足をチョコチョコと動かしながら歩いて行くミルク。
「可愛い、可愛いね、千羽弥さん」
「もう、わかったから」
「だって、俺ずっと犬飼いたくてさ、小さい頃にお願いしても世話出来ないでしょって言われて飼ってもらえなかった」
「そうなんですね」
トリミングサロンに到着してミルクを預けた。