年下上司に懐かれましたがその人には好きな人がいて…そんなあなたの気持ちが知りたいです。
「皇平」
「えっ、親父!びっくりしたぁ」
「家に居るものと思っていたが地方から帰って会社に寄ったら鳴海くんから聞いて…」
「副社長、入院のしおりを出してください、保証人の所に書いて貰おうと思いまして」
「あ、あぁ」
皇平はノートパソコンを下ろして、テーブルに書類を置いた。
「ここにお願い」
社長は書類にサインをした。
「皇平、これからどうするんだ?不便なら家政婦を頼んでもいいんだぞ…」
「家政婦か……その雇うお金を千羽弥さんに払っても惜しくないくらいここは居心地がいいんだよ」
社長は千羽弥を見た。
「とりあえず入院まではお世話します、手術日はちょうど私も休みの日なので付き添えますが、その後は入院中にこれからの仕事の事をお二人で話して頂くと助かります」
「わかった、じゃあ皇平、わがまま言うんじゃないぞ」
「うん」
千羽弥は社長を玄関まで見送った。
「お願いします」
社長に頭を下げられた。
「いえ、大丈夫ですので頭を上げてください、副社長が少しでも不安をなくすならば…それにうちの犬にもメロメロで楽しいみたいです」
「犬か…昔から何度も飼いたいと頼まれたが娘がアレルギーでね、仕方なかったんだよ、体も弱くて嫁は娘につきっきりだったから皇平はおばあちゃんっ子であまり僕達には心を開かない」
「そうなんですね」
もう一度社長はお願いしますと頭を下げられ家に帰っていった。