年下上司に懐かれましたがその人には好きな人がいて…そんなあなたの気持ちが知りたいです。
支度を終えて二人でマンションを出た。
「歩ける?」
「うん、まだ少しびっこ引く感じだけど、来週からはエアロバイクとか漕ぐんだよ、足首とかの可動をこれからリハビリするんだって」
「良かったね、早く治りそうで」
「うん!千羽のおかげだよ」
「そんなことないよ、リハビリは皇平くんの努力だよ」
「へへっ、褒められた」
ビルに入ると階段で上がり、2階で副社長と分かれ、千羽弥は3階に上がっていった。
10月も下旬になっていたある日、養成所の今年の預かりが決定した。
これからASSHの仮所属になり、12月には忘年会での挨拶もある。
千羽弥はその準備もあるのだった。
会場を申し込み、出席者の確認など毎日残業の日々が続いた。
明日は休みだ、キリのいいところまでしておこうと3階のフロアは千羽弥1人だった。
ガチャっとドアが開き
「千羽」と呼ばれた。
「あっ、会社ですよ、副社長」
「誰もいないよ、まだ残ってたんだな」
「はい、もう少しだけと思って…」
「千羽…顔色が悪いぞ」
副社長は千羽弥の頭をポンと押さえた。
「夜だからじゃないですか?」
「ちゃんと食べてるか?」
「えーっと…」
千羽弥は視線を反らせた。
「仕事に夢中になると食事をサボるのは千羽の悪い所だ、何か食いに行くか?」
「あ〜、あとちょっと仕事したいです」
「じゃあ、待ってる、終わったら連絡くれよな」
「……はい」