年下上司に懐かれましたがその人には好きな人がいて…そんなあなたの気持ちが知りたいです。

朝、千羽弥は体を起こすとため息をついた。

「はぁ…何で引き受けたんだろう…」

昨日、皇平の車にダンボールを積み、車で帰ってきた千羽弥。

皇平くんからお願いされた事は2つ

1つ目はこの前のお揃いのジャージを着てパスだけでもいいから一緒にバレーをやりたい。

そしてもう1つは仲間に彼女って聞かれたら彼女って言ってもいいかなって言われた事……

まぁまぁ、1つ目はバレー経験者として出来ない事はない。

でも、もう1つは…だって皇平くんが好きな橘さんがいるんでしょ?

それも聞かれたらなんて、凄く微妙だし、私に聞かれたら彼氏って言ってもいいの?って…そこは動揺していて聞くのを忘れたんだけど。

それなのに仮の彼女なんて演じていいの?

橘さんが好きなら彼女がいない方が絶対いいよね、だって、翔太郎くんが橘さんの事を遊びなら橘さんがそれに嫌気がさして皇平くんを好きになるかもじゃん?


でも……友達と寝た橘さんとはもう付き合わないつもりなのかな、泊まるってやっぱりそういう事してるよね。

結構ショックを受けてたようだし。

待って、怪我した時に橘さんがついて来たのは何でだろう。

20人近くいる中で何で橘さんだったんだろう…

千羽弥はベッドから出てミルクを撫でた。

「わかんないね、皇平くんの気持ちが…ねっ、ミルク」

皇平くんの仕事が終わったら車で迎えに行く事になっている。

それまで部屋の掃除をひたすらした千羽弥だった。
< 33 / 55 >

この作品をシェア

pagetop