年下上司に懐かれましたがその人には好きな人がいて…そんなあなたの気持ちが知りたいです。
元の生活
「うっ…」
部屋に入ると突然涙が溢れてきた。
何で私は泣いてるの…
ちゃんと彼女役も出来たじゃない…
やっぱり皇平くんが橘さんを見る目は優しかった。
まだ皇平くんは橘さんの事が好きなんだ…
そして私も…皇平くんが好きなんだ…
2人が仲良く話している所が嫌だったんだ。
「ダメじゃん、本気になっちゃ、やっぱり私には演技の才能はなかった…っ」
千羽弥はミルクを抱いてその日は眠った。
次の日は思っていたより目は腫れてなくて、目の周りを少し明るくメイクをした。
「切り替え、切り替え」
自分の頬を両手でパンパンと叩き仕事に向かった。
13時過ぎに皇平が3階を覗くと
「あれ?千羽弥さんは?」
「ゴホッ、すみません、今日咳が酷くて現場に入ってもらってます」
声をからした梶原さんが副社長に言った。
「そっか、わかった」
現場ね〜、昼飯誘おうと思ったのにな。
それから毎日昼に覗くも千羽弥はいない。
LINEをしても外だって言うし…
皇平は千羽弥のマンションの前で待つことに…
「千羽」
「副社長!どうしたんですか?」
「どうしたじゃないよ、ずっと会社にいないじゃん」
「いますよ、たまたま副社長のLINEの時はいないだけで」
「避けてるの?」
「…避けてませんよ」