年下上司に懐かれましたがその人には好きな人がいて…そんなあなたの気持ちが知りたいです。
このままだといけない

「考えてくれてたの?私の事?」

「もちろんだよ」

「私もね考えてみたの、あっ、仕事が忙しいのは本当」

「わかるよ、だからなるべく邪魔をしないように休みの日に誘ってただろ?」

「で、でも私は休みでも皇平くんは休みじゃないでしょ?正直、副社長は私の休みはわかるけど、私は副社長の休みはわからない」

「まあ、役者の仕事しかスケジュールは共有されないからな、でも誘うって事は時間がある時だと思って欲しい」

千羽弥はごくんと唾を飲み込んだ。



「皇平くんの気持ちが…わからないの…」

「何でさ、誘ってるのに」

「この前、体育館でお見舞い返しに行って、私の役目は終わったと思って……」

「役目?」

「その……彼女って設定」

「嫌だった?」

千羽弥は黙ってしまった。

「俺の事嫌い?」

「そ、そういう事じゃなくて」

「俺も千羽の気持ちが知りたい」

皇平くんは進路を変えて海に向かった。

1度車を降りて海沿いを歩く。

皇平くんは私の手を繋いでコートのポケットに入れてくれた。

「体育館でね、皇平くんが橘さんを見る目が優しかったし、楽しそうだった……やっぱり橘さんの事が好きなんだなぁってコート内を見ながらその奥で二人で楽しそうに笑ってるのを見て思ったの」
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