年下上司に懐かれましたがその人には好きな人がいて…そんなあなたの気持ちが知りたいです。
「あー、そうなんだ……でも違う、楽しそうだったのはかほりが会社の人から彼女になったんだねって言ってくれたから」
千羽弥は足を止めた。
「かほりの事が好きで笑ってたんじゃなくて千羽を彼女って言ってくれて嬉しかったから笑ってた」
「う…そ…」
「翔太郎が何気なく言ったひと言が千羽には嫌だったよな」
「それは5歳も年上だもの、そう思われても仕方ないよ」
「うん、だからお揃いのジャージを買ってみんなの反応を見たかったんだ、あの後、みんな可愛いとか綺麗とか、スタイル抜群とか、美人の彼女を自慢しに来たのかよとか、たくさんのLINEをくれてさ、千羽に見せたかったのに避けられるしさ、俺がどんだけ落ち込んでたかわかる?」
「だって……最初の病院の付き添いも橘さんだったんだよ、皇平くんが好きなの知ってるのに……私なんて怪我が良くなったら用済みでしょ?」
「んー、あの日はかほりは実は翔太郎の車で一緒に来てたんだ、運転ができるから翔太郎が俺の車で病院に連れて行ってやれよって翔太郎に頼まれたからかほりが付いてきてくれた」
そうだったんだ……
「かほりの意思じゃないんだ、だから千羽にかほりの事が好きなんでしょって言われた時にわからないと答えた、好きだったのは事実だけど、もう気持ちはなかったんだろうな」
また二人で歩き出す。