年下上司に懐かれましたがその人には好きな人がいて…そんなあなたの気持ちが知りたいです。
アキレス腱断裂
9月に入り養成所の募集が始まった。
たくさんのメールでの申し込みや質問などに千羽弥は対応し忙しい日々が続いていたある日、残業をしているとマネージャーの梶原(かじわら)さんから電話があった。
「あっ、お疲れ様です、梶原です」
「お疲れ様です、どうしましたか?」
「今、工藤くんから連絡があって仕事を3週間ほど休むと…」
「3週間!どうしてまた?」
「アキレス腱を切ったらしくて今救急病院にいるそうです」
「えっ、アキレス腱!」
「僕、昨日から休みもらってて今東京にいないんですよ、千羽弥さん病院の方に行けないですか?」
「わ、私?えっ、そういうのって家族が……あー、社長はイベントで前乗りしてるんだったわね」
パソコンのスケジュールを開いた。
「そうなんです」
「わかりました、様子を見てきます」
梶原さんから病院名を聞き、パソコンをシャットダウンして、千羽弥は病院へ向かった。
社長の奥様は今は娘さんの海外留学で一緒に行っていると社長に確か聞いたことがある。
病院に到着して名前を告げて副社長の姿を見つける事が出来たが、となりにはスラッとした高身長の若い女性が立っていた。
「…副……」
副社長は私に気づき、人差し指でシーとしたので「工藤さん」と呼び直した。
千羽弥が声をかけると2人が千羽弥を見た。
「千羽弥さん、来てくれたんだね」
「梶原さんから連絡をもらって……」
隣の女性は千羽弥に頭を下げた。
千羽弥も思わず頭を下げる。