年下上司に懐かれましたがその人には好きな人がいて…そんなあなたの気持ちが知りたいです。
「立てますか?」
「なんとか…」
皇平は車の鍵を千羽弥に渡した。
「運転出来たよね?」
「まあ……」
千羽弥は会社には電車で通勤していたが劇団時代に小道具を運ぶのにレンタカーを借りて運転はしていたから副社長もそれを知っているのだろう。
劇団にも役者として出演もしたことがあったから。
「明日、整形外科に行くんだけど……千羽弥さんの家に行っちゃダメかな」
「え!うちに?」
「うん、家遠いし、1人じゃ不便だから……千羽弥さん明日休みでしょ?一緒に病院についてきてよ」
「明日は確かに休みだけど…」
今日の仕事の残りをしようかなと思っていたし、明日は夕方にはミルクのトリミングの予約が…
「千羽弥さん、お願いします」
副社長が頭を下げた。
「副社長、もしかして1人で病院行くのが怖い?」
「こ、怖くはないけど…し、手術とかはした事なくて……怖い…かも、話聞くのもさっきドキドキしてた」
怖くはないけど怖いって言ってる(笑)
「怖いんですね?」
「……ちょっと……」
副社長は視線を下に落とした。
「クスッ、わかりました、その代わり社長に電話入れますね」
「えー、もう寝てるんじゃね?」
「一応報告しておかないとですよ」
「足悪いのに襲ったりしないよ」
「襲っ……当たり前です!」
待っててくださいと千羽弥は電話をかけに行った。
「はぁ、全治6ヶ月か…それまでかほりに会えないんだよな…」