喜びをあなたと一緒に
持ち方を変えて、再び挑戦してみるが、どうしても腰の高さまでしか上がらなかった。
あきらめるか。
でも、持ち歩くのも大変だし、他のコインロッカーがないか探してみるか。
顎に手を当てて考え込んでいると、トントンと控えめに肩をたたかれた。
こんなところに立ち止まって邪魔だったかな。
そう思い、慌ててコインロッカーの前からずれる。
「私、占領してしまっていたみたいで、ごめんなさい。ここのロッカー、私じゃ届かなかったので、どうぞ使ってください。」
そう言って、頭を上げると、目の前には男の人が1人立っていた。
身長は少し高めで、スラッとしている。
白のポロシャツとネイビーのスラックスを着ている。
耳にかかるぐらいの黒髪は、清潔感があった。
すっと通った鼻筋と整った眉毛はクールな印象だが、彼の人柄がにじんでいるのか、冷たさは感じない。
年は少し上だろうか?落ち着いた雰囲気がある。
「持ち上げられないのかなって思って声をかけたんだけど、反応がなかったから肩トンってしちゃったんだ。驚かせてごめんね。」
彼は、申し訳なさそうに、両手を顔の前で合わせた。
「そうだったんですね。わざわざありがとうございます。」
「気にしないで。じゃあ、入れるね。」
そう言って、私の重いキャリーケースを1人で持ち上げようとするから、慌てて制止する。
「あっ、私も一緒に持ちますよ。荷物いっぱい詰め込んじゃって重いですし。」
「あはは。ありがとう。でも、大丈夫だよ。こう見えて力もちなんだ。」
彼はキャリーケースを軽々と持ち上げた。
あんなに手こずっていたのが嘘みたいだった。
「ありがとうございます。助かりました。」
何かお礼を…と言いかけて、こういう場合のお礼は何が良いのかと悩む。
「お礼を…って考えてるでしょ。礼なんていらないよ。大したことしてないし。」
そう言って、男性は立ち去ってしまった。
優しい人だったな。
胸の中心がほわほわとするのを感じた。
あきらめるか。
でも、持ち歩くのも大変だし、他のコインロッカーがないか探してみるか。
顎に手を当てて考え込んでいると、トントンと控えめに肩をたたかれた。
こんなところに立ち止まって邪魔だったかな。
そう思い、慌ててコインロッカーの前からずれる。
「私、占領してしまっていたみたいで、ごめんなさい。ここのロッカー、私じゃ届かなかったので、どうぞ使ってください。」
そう言って、頭を上げると、目の前には男の人が1人立っていた。
身長は少し高めで、スラッとしている。
白のポロシャツとネイビーのスラックスを着ている。
耳にかかるぐらいの黒髪は、清潔感があった。
すっと通った鼻筋と整った眉毛はクールな印象だが、彼の人柄がにじんでいるのか、冷たさは感じない。
年は少し上だろうか?落ち着いた雰囲気がある。
「持ち上げられないのかなって思って声をかけたんだけど、反応がなかったから肩トンってしちゃったんだ。驚かせてごめんね。」
彼は、申し訳なさそうに、両手を顔の前で合わせた。
「そうだったんですね。わざわざありがとうございます。」
「気にしないで。じゃあ、入れるね。」
そう言って、私の重いキャリーケースを1人で持ち上げようとするから、慌てて制止する。
「あっ、私も一緒に持ちますよ。荷物いっぱい詰め込んじゃって重いですし。」
「あはは。ありがとう。でも、大丈夫だよ。こう見えて力もちなんだ。」
彼はキャリーケースを軽々と持ち上げた。
あんなに手こずっていたのが嘘みたいだった。
「ありがとうございます。助かりました。」
何かお礼を…と言いかけて、こういう場合のお礼は何が良いのかと悩む。
「お礼を…って考えてるでしょ。礼なんていらないよ。大したことしてないし。」
そう言って、男性は立ち去ってしまった。
優しい人だったな。
胸の中心がほわほわとするのを感じた。