喜びをあなたと一緒に
うちのカフェはちょっと特殊だ。
1階ではカフェを開き、2階ではお絵かき教室を開いている。
お絵かき教室は、一枠30分～1時間程で、その間、カフェでコーヒーを飲んで過ごす親御さんも多い。

「優里ちゃん、上手に描けたよ。みて！みて！」

そう言って、あかりちゃんは出来上がったばかりの絵を、満面の笑みで見せる。

ここは、子どもたちの笑顔で溢れている。
幸せだなあ。改めて、そう思った。

お絵かき教室が終わり、カフェを手伝うために1階に降りる。
すると、常連さんはまだいて、彼と話していた。
階段を降りる音が聞こえたのか、彼が私の方を見て、言った。

「あ、ちょうど良かった。松山さんが、優里のこの絵が気になるそうでね。」

「そうなんだよ。優里さんらしい絵でね。心が温まるなあと思って。もう少し、この絵について聞いてもいいかな。」

カフェには私が描いた絵を展示しており、コーヒーを飲みながら楽しめるようにしている。
気に入った作品があれば、購入することも出来、このカフェにはギャラリーの役割もある。

松山さんは、購入した絵を嬉しそうに両手で抱えて、帰っていった。
このカフェにも笑顔が溢れている。

「ねえ、幸せだね。」
噛みしめるように、言った。
｢幸せだな。」
そう言うと、私たちはお互いを見つめて微笑んだ。
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