小鳥の爪―転生寵姫は2番目の恋に落ちる―
第62話 現実への引き戻し
第62話 現実への引き戻し(1/4)
◆
ふたりが乗った馬が、山道を下りていた。
シャオレイに、じわりと焦りがにじんでいた。
(だいぶ日が経ってしまったから、早く戻らなきゃ……。
私の不在が、陛下に露見していなきゃいいけど。
もし陛下に知られていたら……私は、妃でいられなくなるかもしれない)
その覚悟は、シャオレイには最初からあった。無断で宮廷を出た時点で、己の立場を捨てたも同然だからだ。
(でも、私が行かなかったら、ミアルは殺されていたわ。
だから後悔はしてない。
でも――)
シャオレイは、息をついた。
(陛下が本気で怒りを爆発させたら、私は……)
その問いに、シャオレイは胸の奥を刺されるような痛みを感じていた。
そのときフェイリンが、シャオレイの体を包む腕の力を、わずかに強めた。
「案ずるな。俺がついている」
そのひと言に、張り詰めたシャオレイの気持ちが、少しだけほぐされる。
(今、あれこれ考えたって仕方ないわ。
……この時間だけでも、忘れよう)
シャオレイが口を開いた。
「小鳥はミアルを助けたのね。
……でも、なぜかしら?」
フェイリンが答える。
「……そもそも、そいつは何なんだ?
生まれつきのアザか?」
シャオレイは、助けた仙人からお礼としてその小鳥を授かったことを、簡単に説明した。
「なるほど……その仙人は女たらしだな。
だから小鳥もミアルを気に入ったんだろう」
「そう?」
「そうだ。
――現に俺のときは、そいつは威嚇した」
シャオレイはくすりと笑った。
「それは、あなたが私を殺そうとしたからよ」
「あのときは、追手がいて気が立っていたんだ」
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ふたりが乗った馬が、山道を下りていた。
シャオレイに、じわりと焦りがにじんでいた。
(だいぶ日が経ってしまったから、早く戻らなきゃ……。
私の不在が、陛下に露見していなきゃいいけど。
もし陛下に知られていたら……私は、妃でいられなくなるかもしれない)
その覚悟は、シャオレイには最初からあった。無断で宮廷を出た時点で、己の立場を捨てたも同然だからだ。
(でも、私が行かなかったら、ミアルは殺されていたわ。
だから後悔はしてない。
でも――)
シャオレイは、息をついた。
(陛下が本気で怒りを爆発させたら、私は……)
その問いに、シャオレイは胸の奥を刺されるような痛みを感じていた。
そのときフェイリンが、シャオレイの体を包む腕の力を、わずかに強めた。
「案ずるな。俺がついている」
そのひと言に、張り詰めたシャオレイの気持ちが、少しだけほぐされる。
(今、あれこれ考えたって仕方ないわ。
……この時間だけでも、忘れよう)
シャオレイが口を開いた。
「小鳥はミアルを助けたのね。
……でも、なぜかしら?」
フェイリンが答える。
「……そもそも、そいつは何なんだ?
生まれつきのアザか?」
シャオレイは、助けた仙人からお礼としてその小鳥を授かったことを、簡単に説明した。
「なるほど……その仙人は女たらしだな。
だから小鳥もミアルを気に入ったんだろう」
「そう?」
「そうだ。
――現に俺のときは、そいつは威嚇した」
シャオレイはくすりと笑った。
「それは、あなたが私を殺そうとしたからよ」
「あのときは、追手がいて気が立っていたんだ」