小鳥の爪―転生寵姫は2番目の恋に落ちる―
第65話 かんじがらめの統治者(2/6)
やがてゼフォンは息をついて、シャオレイへ静かに言った。
「……下がれ」
それは、シャオレイにとっては、愛の名残を断ち切る刃だった。
小さく首を振って、シャオレイは拒んだ。
だが、ゼフォンはチャオ内侍に視線を送った。
すると、チャオ内侍と他の内侍がシャオレイの腕をつかみ、容赦なく引きはがす。
ゼフォンの衣から指が完全に切り離されたとき、シャオレイの胸の奥に燃えていたはずの熱は――跡形もなく消えた。
ゼフォンは振り返らないまま、ただひとことシャオレイへ言った。
「……養生せよ」
ゼフォンは、シャオレイを捨てたわけじゃなかった。ただ、彼自身の手に余るから、向き合いたくなかったのだ。
遠ざかっていくゼフォンの背中を、涙に濡れたシャオレイの、翠玉の瞳が映していた。
床に手をついたまま、シャオレイはただ、涙を流していた。シャオレイの胸の奥が、じくじくと痛み始める。
(余計なことなんかしないで、悲劇の寵姫のまま死んでいればよかった……)
涙が次々と、絨毯に吸い込まれていく。
(そうすれば……そうすれば……陛下から愛されたままで、私も……彼を愛したままでいられた……)
やがてゼフォンは息をついて、シャオレイへ静かに言った。
「……下がれ」
それは、シャオレイにとっては、愛の名残を断ち切る刃だった。
小さく首を振って、シャオレイは拒んだ。
だが、ゼフォンはチャオ内侍に視線を送った。
すると、チャオ内侍と他の内侍がシャオレイの腕をつかみ、容赦なく引きはがす。
ゼフォンの衣から指が完全に切り離されたとき、シャオレイの胸の奥に燃えていたはずの熱は――跡形もなく消えた。
ゼフォンは振り返らないまま、ただひとことシャオレイへ言った。
「……養生せよ」
ゼフォンは、シャオレイを捨てたわけじゃなかった。ただ、彼自身の手に余るから、向き合いたくなかったのだ。
遠ざかっていくゼフォンの背中を、涙に濡れたシャオレイの、翠玉の瞳が映していた。
床に手をついたまま、シャオレイはただ、涙を流していた。シャオレイの胸の奥が、じくじくと痛み始める。
(余計なことなんかしないで、悲劇の寵姫のまま死んでいればよかった……)
涙が次々と、絨毯に吸い込まれていく。
(そうすれば……そうすれば……陛下から愛されたままで、私も……彼を愛したままでいられた……)