小鳥の爪―転生寵姫は2番目の恋に落ちる―
第66話 紙切れ1枚の別れ(2/5)




 華宵宮《かしょうきゅう》にて、メイレンはひざまずいて、チャオ内侍から勅命を受けていた。

 チャオ内侍が勅書を読みあげる。
「後宮内の再統制を勅命す。
今回の事態を受け、女官長を更迭《こうてつ》の上、再任すること」

 それは、皇帝ゼフォンからの最後通告だった。
 メイレンへの罰は無かったが、彼女の身内である女官長は解任された。

 この件でメイレンは、廃后へ近づいたのだ。もう失態は許されない。

 はからずしも、ゼフォンに捕まったフェイリンが、メイレンを窮地に追い込んだのだ。

 メイレンは顔色ひとつ変えず、勅書を受け取った。

 だが、チャオ内侍が去った後、メイレンは勅書を床に叩きつけた。

「殿下――!」

 慌てて拾い上げるミンシーの声を無視し、メイレンはイラ立ちを隠そうともしなかった。
 メイレンは椅子に腰を落とし、眉間を抑える。

「まさか小鳥の自滅で、こちらに火の粉が飛ぶとは――!
ジュンの謀反では、こちらには何の損害も無かったのに……。
やはり、監視をもっと強化しておくべきだったな。
たかが小鳥とあなどっていた」

 ミンシーが声をひそめた。
「まさか、殿下の失脚を狙って――?」

「小鳥にそんな頭があるとは思えぬ。
ビン・ユエンの知恵か……?
――あの間男《まおとこ》※め……」[※密通相手の男]

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