小鳥の爪―転生寵姫は2番目の恋に落ちる―
第67話 冷たい檻(2/5)




 シャオレイは、宮中の一室の中央に立たされていた。

 重々しい空気の中、ひとりの宮女がシャオレイの帯紐を解いた。

 それが合図のように、他の宮女たちが一斉に手を伸ばし、シャオレイの衣《ころも》を次々と剥ぎ取っていく。
 華やかなかんざしも腕輪も、容赦なく外された。きらびやかな刺繍入りの靴も脱がされ、裸足にされた。

 シャオレイは、あっという間に中衣《ちゅうい》姿になった。冷たい空気が、シャオレイの肌を刺す。
 だが、シャオレイはずっと、ひとつのことしか考えていなかった。
(無理よ……いくらフェイリンでも、100打なんて耐えられない)

 女官は冷たく言った。
「両腕を上げてください」

 シャオレイがゆっくりと腕を持ち上げると、女官が中衣の中へ無言で手を差し入れた。

 隅にいる女官が、淡々と記録している。

 胸元をなぞる冷たい指先に、シャオレイはひるんだ。
 そのすぐ奥に、フェイリンから贈られたかんざしを隠していたからだ。
 次の瞬間、シャオレイにフェイリンの声がよみがえった。

『かんざしは?』

 それはシャオレイがミアルと別れて、都に帰る道中で言われた言葉だ。

(私がフェイリンを心の支えにしてたのを、彼に知られたわ。
あの人、ちょっと嬉しそうで……)

 シャオレイがそれから思い出したのは―― シャオレイの髪に顔をうずめてささやいた、フェイリンの声。

『そなたを守るのは……俺だ』

 その声が、シャオレイの心にわずかな熱をもたらす。
(ああ、そうだわ……。
今度は、私がフェイリンを守らなくちゃ。
だって、私のせいだもの)

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