小鳥の爪―転生寵姫は2番目の恋に落ちる―
第67話 冷たい檻(4/5)
◆
紫微殿《しびでん》のゼフォンの元へ、記録係の女官が書状を届けに来た。
「……ヤン妃様の身体検査につきまして、報告書をお持ちいたしました。
検査結果には、特段の異常はございません」
ゼフォンは黙ってうなずき、書状に目を通した。それから、書状へ印を押す。
その動きに、迷いはなかった。
ゼフォンは、書状をチャオ内侍へ戻した。
チャオ内侍から書状を受け取った記録係が、ためらいがちに口を開いた。
「恐れながら……ヤン妃様より陛下へ、申し伝えるよう仰せつかっております」
ゼフォンが記録係へ目を向けた。
記録係は、伏し目がちに続けた。
「“ビン・ユエンへの刑罰を、自らが引き受ける”と……。
”すべては己が罪によるものである”――そのように申しておりました」
室内に、重苦しい沈黙が落ちた。
ゼフォンはもう、考えなかった。ただ、ひとこと口にした。
「予定通り、処理せよ」
◆
しばらく経って、記録係の女官が書状を持って戻ってきた。
すぐさまシャオレイは、「陛下はなんて!?」と尋ねた。
だが、記録係は小さく首を振った。
書状に記されていたのは、ただの処分命令だった。ゼフォンの一筆と、印だけがあった。
“肩代わり”など、どこにも触れられていなかった。
次の瞬間、シャオレイは宦官たちに両腕を抱えられた。そのまま、冷宮へと連れて行かれる。
無力感が、シャオレイを打ちのめしていた。
(私……何もできないのね)
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紫微殿《しびでん》のゼフォンの元へ、記録係の女官が書状を届けに来た。
「……ヤン妃様の身体検査につきまして、報告書をお持ちいたしました。
検査結果には、特段の異常はございません」
ゼフォンは黙ってうなずき、書状に目を通した。それから、書状へ印を押す。
その動きに、迷いはなかった。
ゼフォンは、書状をチャオ内侍へ戻した。
チャオ内侍から書状を受け取った記録係が、ためらいがちに口を開いた。
「恐れながら……ヤン妃様より陛下へ、申し伝えるよう仰せつかっております」
ゼフォンが記録係へ目を向けた。
記録係は、伏し目がちに続けた。
「“ビン・ユエンへの刑罰を、自らが引き受ける”と……。
”すべては己が罪によるものである”――そのように申しておりました」
室内に、重苦しい沈黙が落ちた。
ゼフォンはもう、考えなかった。ただ、ひとこと口にした。
「予定通り、処理せよ」
◆
しばらく経って、記録係の女官が書状を持って戻ってきた。
すぐさまシャオレイは、「陛下はなんて!?」と尋ねた。
だが、記録係は小さく首を振った。
書状に記されていたのは、ただの処分命令だった。ゼフォンの一筆と、印だけがあった。
“肩代わり”など、どこにも触れられていなかった。
次の瞬間、シャオレイは宦官たちに両腕を抱えられた。そのまま、冷宮へと連れて行かれる。
無力感が、シャオレイを打ちのめしていた。
(私……何もできないのね)