小鳥の爪―転生寵姫は2番目の恋に落ちる―

第68話 刑の執行

第68話 刑の執行(1/4)




 宮廷の正門前の広場で、杖刑が執行されていた。

 宮中の使用人や民衆がひしめきあって、見物をしてる。皆、この娯楽に興奮し、歓声をあげ、罵声と冷笑を飛ばしていた。

 フェイリンは、甘んじて罰を受けていた。
 うつ伏せのまま、肌を直接打たれる。体が血で染まり、肉が裂けた。
 フェイリンが痛みで気絶するたびに、容赦なく冷水を浴びせられた。
 フェイリンは、逃げなかった。
 もしそうすれば、シャオレイが共犯として追及されるからだ。
 たとえフェイリンが自害を装ったとしても、同じことだ。

 フェイリンは、シャオレイがヤン妃として冷宮へ送られたことを、聞かされていた。
 自らの体が砕かれる音を聞きながら、ゼフォンをあざ笑った。
(未練たらしいな、あの男は……。
奴が本気でシャオレイを見限ったのなら、即座に廃妃としたはずだ。
だが、冷宮送りで済んだ以上、シャオレイはもう一度返り咲ける。
――奴の裁量次第でな。
それなら、俺の役目も終わりか……)
 フェイリンがそう思った瞬間、身体から力が抜けた。
 フェイリンの頭に、家族の姿が浮かぶ。
(ゆるしてくれ……仇討ちを忘れたわけじゃない。
ただ、シャオレイのそばにいてやりたかっただけ……)
 フェイリンの意識が遠のく。
 うっすらと、歓声が聞こえる。
 それは、家族の笑い声にも、シャオレイの笑い声にも似ていた――。

 だが、次の一撃でフェイリンは目を覚ました。
(あいつが返り咲ける保証なんて、どこにもない)
 フェイリンは、激しくせき込む。口の中が血の味で満たされていた。
 それから、メイレンの存在がフェイリンの脳裏をよぎった。
(シャオレイは、メイレンに目を付けられている……。
今回の件で、メイレンにも何かしらの火の粉が、かかったはずだ。
奴はきっと恨んでいるから、シャオレイの息の根を止めるかもしれない。
シャオレイが冷宮にいる限り、その危険は常にある。
ならば――俺が死ぬわけにはいかない……!)

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