小鳥の爪―転生寵姫は2番目の恋に落ちる―
第70話 折れた羽(2/7)




 冷宮の闇の中から、気の触れた廃妃たちの叫び声が響いている。

 シャオレイは両耳をふさいで、敷布の中で、ただ耐えていた。
 そのときだった。
 勢いよく扉が開いた音に、シャオレイは驚いて顔を上げた。

 部屋の入り口には、気が触れた廃妃が立っていた。
「陛下のお心を奪った女…!」
 目の血走った廃妃が、叫びながらシャオレイに飛びかかってくる。廃妃の両手がシャオレイの首に食い込み、喉を潰すように締め上げられる。
 シャオレイはとっさに、かんざしを廃妃の腕に突き刺した。

 かんざしの毒針は一度ミンシーへ使用してしまったので、毒の効果は薄い。だが、廃妃は痛みでひるみ、部屋から逃げ出して行った。

 シャオレイは、急いで扉の前に寝台と卓を置き、侵入を防いだ。
 それから部屋の隅にへたり込んだまま、かんざしを握りしめる。

 だが、これは冷宮の地獄の始まりにすぎなかった。

< 347 / 492 >

この作品をシェア

pagetop