小鳥の爪―転生寵姫は2番目の恋に落ちる―
第70話 折れた羽(3/7)
◆
夜が明けた。重い雲の隙間から、光がわずかに差し込んでいる。
日に一度の食事の配給を受けるため、シャオレイは扉を開けて、あたりをうかがった。
昨日の廃妃がいないことを確かめてから、そっと外へ出た。
10人ほどの廃妃たちが、無言で配給の列を作った。
誰もが、幽霊のように生気のない顔をしている。だが、新入りのシャオレイを横目で見つめていた。
シャオレイは最後尾で、うつむいていた。
(廃妃って、こんなにいたの……。
――みんな、陛下の怒りを受けた者……)
年老いた白髪《しらが》交じりの廃妃が、シャオレイの目に入った。
老いた廃妃は食事を受け取り、よろよろと去っていった。
シャオレイの気持ちは、さらに暗く沈んだ。
(きっと先帝の廃妃だわ……死ぬこともできないのね……。
――私と同じ……)
食事は、前日の宮中の残飯だった。その中には、小さな黒い虫がうごめいていた。
シャオレイは、食べられそうな部分を選んで口に入れた。だが、すぐに吐き出した。
食事は、腐っていたのだ。
シャオレイが青楼で小間使いをしていた頃でも、こんな酷い物は出てこなかった。
食事を諦めたシャオレイは、よろよろと椅子の上に座り、敷布を頭から被った。
それから、凍傷になりかけのつま先を両手で包み、身を縮めていた。
寵を失った妃の末路を、嫌というほど思い知らされていた。
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夜が明けた。重い雲の隙間から、光がわずかに差し込んでいる。
日に一度の食事の配給を受けるため、シャオレイは扉を開けて、あたりをうかがった。
昨日の廃妃がいないことを確かめてから、そっと外へ出た。
10人ほどの廃妃たちが、無言で配給の列を作った。
誰もが、幽霊のように生気のない顔をしている。だが、新入りのシャオレイを横目で見つめていた。
シャオレイは最後尾で、うつむいていた。
(廃妃って、こんなにいたの……。
――みんな、陛下の怒りを受けた者……)
年老いた白髪《しらが》交じりの廃妃が、シャオレイの目に入った。
老いた廃妃は食事を受け取り、よろよろと去っていった。
シャオレイの気持ちは、さらに暗く沈んだ。
(きっと先帝の廃妃だわ……死ぬこともできないのね……。
――私と同じ……)
食事は、前日の宮中の残飯だった。その中には、小さな黒い虫がうごめいていた。
シャオレイは、食べられそうな部分を選んで口に入れた。だが、すぐに吐き出した。
食事は、腐っていたのだ。
シャオレイが青楼で小間使いをしていた頃でも、こんな酷い物は出てこなかった。
食事を諦めたシャオレイは、よろよろと椅子の上に座り、敷布を頭から被った。
それから、凍傷になりかけのつま先を両手で包み、身を縮めていた。
寵を失った妃の末路を、嫌というほど思い知らされていた。