小鳥の爪―転生寵姫は2番目の恋に落ちる―
第71話 よみがえる熱(5/6)


 そのとき、音もなく黒ずくめの男たちが部屋に入ってきた。

 シャオレイが小さな悲鳴をあげると、フェイリンが制する。
「味方だ。――ラン・ジュンの配下だ」

「ラン・ジュンの……?」
 驚きと混乱が入り混じった声で、シャオレイがつぶやいた。

 男のひとりが、シャオレイへ衣を差し出した。
「あなたの衣をお渡しください」

 今度は宦官姿の男たち――彼らもジュンの配下だ――が、女の遺体を運び入れてきた。女の顔立ちはシャオレイに似ており、額にはシャオレイと同じ、小鳥の印が描かれていた。

 シャオレイは、すぐに意図を察した。
(私の死を偽装するのね)
 だが、シャオレイの手はかじかんでいて、帯紐の結び目がつかめない。

 フェイリンがそれに気づいて、シャオレイの帯紐をほどいた。
 シャオレイが驚く間もなく、フェイリンは無言で手早く彼女の衣を脱がしていった。
 フェイリンの手が、一瞬だけ鈍った。彼の指は、シャオレイの訶子《かし》の紐にかかっている。
 だが、フェイリンはわずかに視線をそらし、迷いを捨てるように訶子を外した。

 素肌があらわになった瞬間――シャオレイに羞恥心が一気に湧いた。
 男に服を脱がされるなど、シャオレイは青楼時代から何度も体験していた。それは、ゼフォンとの夜伽でもあった。
 だが、こんな感情はシャオレイには初めてだった。
(どうして……?)
 シャオレイに分かるのは、体中に熱が戻ってきたことだけだった。

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