小鳥の爪―転生寵姫は2番目の恋に落ちる―
第72話 逃げる小鳥
第72話 逃げる小鳥(1/5)
◆
冷宮を抜けたシャオレイとフェイリンは、それぞれ樽に入れられ、荷車に乗せられた。
宦官姿の男が、密かに警備兵に賄賂を渡して、門を突破した。
そのあと、シャオレイたちは馬車に乗せ替えられた。
その最中も、フェイリンはずっとシャオレイを抱きかかえていた。まるで離したらシャオレイが消えてしまうかのように――しっかりと。
不意に、フェイリンが何かを思い出して、懐から封筒を取り出した。それから、「ミアルからだ。今見るか?」とシャオレイへ差し出した。
シャオレイがうなずくと、フェイリンが封筒から取り出す。
それは、以前ミアル名義で運用されていた、シャオレイの資産の証文だった。これを商会に提出すれば、全額を引き出せる。
シャオレイは、ミアルの聡明さに改めて感謝した。
(私が稼いだお金……。
一文無しになってしまったと思ってたけど――)
やがて、馬車の御者――これもラン・ジュンの配下だ――に、フェイリンが声をかける。
「つぎの辻を右に曲がれ。
そこまででいい」
やがて馬車は、裏路地の小さな茶屋の前で止まった。
フェイリンが先に降り、続いて降りてきたシャオレイを抱きとめた。
シャオレイは荒れた声で、御者へ感謝の言葉を述べる。
「ラン殿とミアルへ、お礼を伝えてください……」
「俺からも伝えてくれ。世話になった、と」
フェイリンも礼を伝えると、御者は一礼し、馬車は夜の闇に紛れるように走り去っていった。
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冷宮を抜けたシャオレイとフェイリンは、それぞれ樽に入れられ、荷車に乗せられた。
宦官姿の男が、密かに警備兵に賄賂を渡して、門を突破した。
そのあと、シャオレイたちは馬車に乗せ替えられた。
その最中も、フェイリンはずっとシャオレイを抱きかかえていた。まるで離したらシャオレイが消えてしまうかのように――しっかりと。
不意に、フェイリンが何かを思い出して、懐から封筒を取り出した。それから、「ミアルからだ。今見るか?」とシャオレイへ差し出した。
シャオレイがうなずくと、フェイリンが封筒から取り出す。
それは、以前ミアル名義で運用されていた、シャオレイの資産の証文だった。これを商会に提出すれば、全額を引き出せる。
シャオレイは、ミアルの聡明さに改めて感謝した。
(私が稼いだお金……。
一文無しになってしまったと思ってたけど――)
やがて、馬車の御者――これもラン・ジュンの配下だ――に、フェイリンが声をかける。
「つぎの辻を右に曲がれ。
そこまででいい」
やがて馬車は、裏路地の小さな茶屋の前で止まった。
フェイリンが先に降り、続いて降りてきたシャオレイを抱きとめた。
シャオレイは荒れた声で、御者へ感謝の言葉を述べる。
「ラン殿とミアルへ、お礼を伝えてください……」
「俺からも伝えてくれ。世話になった、と」
フェイリンも礼を伝えると、御者は一礼し、馬車は夜の闇に紛れるように走り去っていった。