小鳥の爪―転生寵姫は2番目の恋に落ちる―
第72話 逃げる小鳥(2/5)
◆
シャオレイは、フェイリンに抱きかかえられたまま、茶屋に入った。
フェイリンが、茶屋の主人と言葉を交わす。
そのあとシャオレイたちは、茶屋の主人の案内で、長い廊下の突き当たりへと連れていかれた。
主人が古びた壁の隅に手を当てると、カタンと音を立てて隠し扉が開いた。
その奥には、狭い部屋があった。小さなあかりとりの窓があり、寝台と長椅子が詰め込まれていた。
主人が室内の行灯に火をつけると、中がぼんやりと照らされた。
フェイリンは部屋に入り、シャオレイを長椅子へ下ろした。
そして、寝台へとフェイリンは倒れ込んだ。フェイリンの額から脂汗が噴き出しており、顔は青白い。
不安げなシャオレイへ、主人は「じきに医者が参りますゆえ……」と言って、部屋を出て行った。
安全な場所に逃げ込めたと思った瞬間、シャオレイの体から力が抜け、長椅子にぐったりと横たわった。
シャオレイはフェイリンのことが気がかりだったものの、ずっと飲まず食わずだったので、もう動く気力がなかった。
しばらくすると、茶屋の女将が飴湯《あめゆ※》と焼餅、それからたらいに入ったお湯を持ってきてくれた。 [※水飴を湯で溶き、生姜の搾り汁などを加えた飲み物]
シャオレイはお礼を言って、飴湯をひとくち含んだ。ほのかな甘みとぬくもりが、衰弱しきった体へ一気に染みていく。
女将がちぎった焼餅を飴湯に浸しながら、シャオレイの口へ少しずつ運んでくれた。
久しぶりのあたたかい飲み物に、腐っていない食べ物――シャオレイは涙をにじませながら、すべて口にした。
やがて、シャオレイに身を起こす気力が湧いてきた。
それからシャオレイは、女将の助けを借りて、手足をたらいにひたす。凍傷になっていた手足に、血の巡りが戻ってきた。
足の裏の傷は、かさぶたになっていた。
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シャオレイは、フェイリンに抱きかかえられたまま、茶屋に入った。
フェイリンが、茶屋の主人と言葉を交わす。
そのあとシャオレイたちは、茶屋の主人の案内で、長い廊下の突き当たりへと連れていかれた。
主人が古びた壁の隅に手を当てると、カタンと音を立てて隠し扉が開いた。
その奥には、狭い部屋があった。小さなあかりとりの窓があり、寝台と長椅子が詰め込まれていた。
主人が室内の行灯に火をつけると、中がぼんやりと照らされた。
フェイリンは部屋に入り、シャオレイを長椅子へ下ろした。
そして、寝台へとフェイリンは倒れ込んだ。フェイリンの額から脂汗が噴き出しており、顔は青白い。
不安げなシャオレイへ、主人は「じきに医者が参りますゆえ……」と言って、部屋を出て行った。
安全な場所に逃げ込めたと思った瞬間、シャオレイの体から力が抜け、長椅子にぐったりと横たわった。
シャオレイはフェイリンのことが気がかりだったものの、ずっと飲まず食わずだったので、もう動く気力がなかった。
しばらくすると、茶屋の女将が飴湯《あめゆ※》と焼餅、それからたらいに入ったお湯を持ってきてくれた。 [※水飴を湯で溶き、生姜の搾り汁などを加えた飲み物]
シャオレイはお礼を言って、飴湯をひとくち含んだ。ほのかな甘みとぬくもりが、衰弱しきった体へ一気に染みていく。
女将がちぎった焼餅を飴湯に浸しながら、シャオレイの口へ少しずつ運んでくれた。
久しぶりのあたたかい飲み物に、腐っていない食べ物――シャオレイは涙をにじませながら、すべて口にした。
やがて、シャオレイに身を起こす気力が湧いてきた。
それからシャオレイは、女将の助けを借りて、手足をたらいにひたす。凍傷になっていた手足に、血の巡りが戻ってきた。
足の裏の傷は、かさぶたになっていた。