小鳥の爪―転生寵姫は2番目の恋に落ちる―
第72話 逃げる小鳥(5/5)
やがて、シャオレイはぽつりとこぼした。
「あなたって、馬鹿よね……」
「馬鹿とはなんだ」
「報われないのに、こんな頑張ったりして――」
「それは、そなただろう?」
その言葉に、シャオレイはハッとする。まっすぐ見つめるフェイリンと、目が合った。
「私は……別に……」
そう言ったものの、押し込めていた記憶がシャオレイの耳によみがえった。
『予は幼子《おさなご》ではない!
女子《おなご》に守られたいとは思わぬ!』
それは、シャオレイを否定するゼフォンの声。
シャオレイが、どれだけの想いでゼフォンを守ったか。
それを拒まれ、どれほど傷ついたか。
(いえ、私が陛下を裏切って傷つけたんだもの……ああ言われても仕方ないわ。
仕方ない……)
気づけば、シャオレイの目から涙がこぼれていた。
「あ……」
止めようとしたのに、涙はあとからあふれ出してきた。
シャオレイの胸の奥に溜め込んでいた痛みが、波のように押し寄せてくる。
シャオレイは寝台に伏せ、肩を小さく震わせた。
それを見たフェイリンは、ゆっくりと身を起こし、そっと手を伸ばす。
フェイリンの手が、シャオレイの背を撫でた。――シャオレイの傷を、手当てするように。
フェイリンの優しさに、シャオレイは身をゆだね、ただ泣いていた。
やがて、シャオレイはぽつりとこぼした。
「あなたって、馬鹿よね……」
「馬鹿とはなんだ」
「報われないのに、こんな頑張ったりして――」
「それは、そなただろう?」
その言葉に、シャオレイはハッとする。まっすぐ見つめるフェイリンと、目が合った。
「私は……別に……」
そう言ったものの、押し込めていた記憶がシャオレイの耳によみがえった。
『予は幼子《おさなご》ではない!
女子《おなご》に守られたいとは思わぬ!』
それは、シャオレイを否定するゼフォンの声。
シャオレイが、どれだけの想いでゼフォンを守ったか。
それを拒まれ、どれほど傷ついたか。
(いえ、私が陛下を裏切って傷つけたんだもの……ああ言われても仕方ないわ。
仕方ない……)
気づけば、シャオレイの目から涙がこぼれていた。
「あ……」
止めようとしたのに、涙はあとからあふれ出してきた。
シャオレイの胸の奥に溜め込んでいた痛みが、波のように押し寄せてくる。
シャオレイは寝台に伏せ、肩を小さく震わせた。
それを見たフェイリンは、ゆっくりと身を起こし、そっと手を伸ばす。
フェイリンの手が、シャオレイの背を撫でた。――シャオレイの傷を、手当てするように。
フェイリンの優しさに、シャオレイは身をゆだね、ただ泣いていた。