小鳥の爪―転生寵姫は2番目の恋に落ちる―
第73話 ゆるんだ鳥籠(3/6)
だが、ゼフォンは感傷に浸っている暇は無かった。夜伽のときに見たシャオレイの体を思い出しながら、遺体へと重ねていく。
初めは、わずかな違和感だった。次第にそれは濃くなっていく。
やがて、ゼフォンは結論づけた。
(これは……ヤン妃ではない)
ゼフォンは息をついて、そばの椅子へ腰を下ろした。
思考がまとまりきらないまま、ゼフォンの視線は宙をさまよう。
(ということは……?)
やがて、ゼフォンは口元をゆがめ、声を漏らした。
「――そういうことか」
◆
紫微殿《しびでん》に戻ったゼフォンは、報告書に目を通していた。それは、”ビン・ユエン”とシャオレイに関するものだ。
(同日に、あやつらが”死んだ”。
――遺体は偽装だな。
だが、ヤン妃が単独でできるとは思えん。
ビン・ユエンの仕業に決まっておる)
だが、”ビン・ユエン”の遺体は、すでにゼフォン自ら確認して火葬を命じた。遺体が偽者だと判明すれば、宮中の警備体制に穴があったと問題になる。
今更真実を明かせば、ゼフォンの失態となり、立場があやうくなる。そうなれば、後継者争いが勃発して、国が傾きかねない。
ゼフォンは、シャオレイたちを死亡したことにして、報告書を処理した。
無意識のうちに、ゼフォンの拳に力がこもっていた。
(ビン・ユエン……どこまで予を愚弄する気だ)
爪が手のひらに食い込む。
(――この手で粛清してやるのが、妥当だな)
ゼフォンの奥底では、激しい怒りが煮えたぎっていた。それは、女を奪われた男の嫉妬だった。
だが、ゼフォンは感傷に浸っている暇は無かった。夜伽のときに見たシャオレイの体を思い出しながら、遺体へと重ねていく。
初めは、わずかな違和感だった。次第にそれは濃くなっていく。
やがて、ゼフォンは結論づけた。
(これは……ヤン妃ではない)
ゼフォンは息をついて、そばの椅子へ腰を下ろした。
思考がまとまりきらないまま、ゼフォンの視線は宙をさまよう。
(ということは……?)
やがて、ゼフォンは口元をゆがめ、声を漏らした。
「――そういうことか」
◆
紫微殿《しびでん》に戻ったゼフォンは、報告書に目を通していた。それは、”ビン・ユエン”とシャオレイに関するものだ。
(同日に、あやつらが”死んだ”。
――遺体は偽装だな。
だが、ヤン妃が単独でできるとは思えん。
ビン・ユエンの仕業に決まっておる)
だが、”ビン・ユエン”の遺体は、すでにゼフォン自ら確認して火葬を命じた。遺体が偽者だと判明すれば、宮中の警備体制に穴があったと問題になる。
今更真実を明かせば、ゼフォンの失態となり、立場があやうくなる。そうなれば、後継者争いが勃発して、国が傾きかねない。
ゼフォンは、シャオレイたちを死亡したことにして、報告書を処理した。
無意識のうちに、ゼフォンの拳に力がこもっていた。
(ビン・ユエン……どこまで予を愚弄する気だ)
爪が手のひらに食い込む。
(――この手で粛清してやるのが、妥当だな)
ゼフォンの奥底では、激しい怒りが煮えたぎっていた。それは、女を奪われた男の嫉妬だった。