小鳥の爪―転生寵姫は2番目の恋に落ちる―
第75話 発火しかける衝動(4/6)
◆
しばらくしてシャオレイが隠し部屋へ戻ると、フェイリンは布団をかぶっていた。
シャオレイは長椅子へ腰を下ろし、部屋をぼんやりと見渡す。見慣れていたはずの狭い空間が、なぜか広く感じられた。
そのとき、扉の外から女将の声がシャオレイに届いた。
「ごめんください、戻りましたよ」
シャオレイが応じると、女将は抱えた包みを渡した。
「頼まれていた物です。お確かめを」
シャオレイが包みを開けると、衣《ころも》と化粧道具と、封筒が入っていた
封筒には、商会から引き出された現金が入っていた。
シャオレイは、衣などの代金に手間賃を上乗せして女将に手渡した。
「これ、少ないですが」
女将は声を潜めて言った。
「街で怪しげな男たちが、あちこちの茶屋に聞き込みをしているようです。兵ではないようですが……」
それを聞いて、シャオレイの顔色が変わった。
フェイリンも、かぶっていた布団から顔を出して、女将の話を聞いていた。
「ご安心を。ここは安全ですので。
――それからこれを、フェイリン殿へ預かりました」
女将はフェイリンへ文《ふみ》を渡して、立ち去っていった。
「ダン・ゼフォンの密偵だな」
寝台に伏したまま、フェイリンがつぶやいた。
シャオレイも、顔を曇らせて言った。
「遺体の偽装がもうバレたのね。さすが陛下だわ……」
(陛下に捕まったら、掟を破った私は殺される。……でも死んだら――)
再び、あの恐怖がシャオレイに忍び寄る。
(また回帰転生させられてしまうかも……)
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しばらくしてシャオレイが隠し部屋へ戻ると、フェイリンは布団をかぶっていた。
シャオレイは長椅子へ腰を下ろし、部屋をぼんやりと見渡す。見慣れていたはずの狭い空間が、なぜか広く感じられた。
そのとき、扉の外から女将の声がシャオレイに届いた。
「ごめんください、戻りましたよ」
シャオレイが応じると、女将は抱えた包みを渡した。
「頼まれていた物です。お確かめを」
シャオレイが包みを開けると、衣《ころも》と化粧道具と、封筒が入っていた
封筒には、商会から引き出された現金が入っていた。
シャオレイは、衣などの代金に手間賃を上乗せして女将に手渡した。
「これ、少ないですが」
女将は声を潜めて言った。
「街で怪しげな男たちが、あちこちの茶屋に聞き込みをしているようです。兵ではないようですが……」
それを聞いて、シャオレイの顔色が変わった。
フェイリンも、かぶっていた布団から顔を出して、女将の話を聞いていた。
「ご安心を。ここは安全ですので。
――それからこれを、フェイリン殿へ預かりました」
女将はフェイリンへ文《ふみ》を渡して、立ち去っていった。
「ダン・ゼフォンの密偵だな」
寝台に伏したまま、フェイリンがつぶやいた。
シャオレイも、顔を曇らせて言った。
「遺体の偽装がもうバレたのね。さすが陛下だわ……」
(陛下に捕まったら、掟を破った私は殺される。……でも死んだら――)
再び、あの恐怖がシャオレイに忍び寄る。
(また回帰転生させられてしまうかも……)