小鳥の爪―転生寵姫は2番目の恋に落ちる―
第75話 発火しかける衝動(5/6)


 立ちすくむシャオレイへ、フェイリンが「シャオレイ」と呼びかけた。
「今後の宮中で何が起こる?」
 フェイリンは、落ち着いた声でシャオレイに問うた。まるで、さっきの気まずさなど無かったかのように。

 フェイリンが伏せている寝台へ、シャオレイは遠慮がちに座った。それから、前世の出来事を、”予言”として歌いあげた。あまり声を出せないため、フェイリンのそばで小さく歌った。
(あんなこと言われたから、意識しちゃうわ。
でもフェイリンったら、平然としてるのね)

 しばらく耳を澄ませていたフェイリンが、静かにつぶやいた。
「3月の北方巡幸――やはり、それを狙うしかないか」

「でも全治4ヶ月だから、間に合わないんじゃ……」

「問題ない。――紙と筆をくれ」
 シャオレイが差し出した紙に、フェイリンは何かを書きつける。それを2つ折りにし、いくらかの金と共にシャオレイへ手渡した。
「これを女将に渡してくれ」

「分かったわ」
 そう言ってシャオレイは、女将に渡しに行った。

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