小鳥の爪―転生寵姫は2番目の恋に落ちる―
第75話 発火しかける衝動(6/6)
しばらくして、女将が薬湯を盆に載せて、隠し部屋へやってきた。
シャオレイはそれを受け取り、薬湯の強い匂いに眉をひそめた。
(何かしら、これ――)
シャオレイから薬湯を受け取ったフェイリンは、うつ伏せのまま一気に飲み干す。そして、碗を置くと目を閉じた。
しばらくすると、フェイリンの顔が赤く染まり、汗が噴き出してきた。
シャオレイは、それを手巾で拭こうとした。
だが、さっきのフェイリンの言葉を思い出してためらった。
『お前に触れられたら、欲しくなる。
――分からないのか?』
「その薬……大丈夫なの?」
心配そうに見守るシャオレイに、フェイリンは目を閉じたまま苦しげに言った。
「治りを早くするだけだ……」
シャオレイは、じっとフェイリンを見つめた。
(巡幸で決着をつけるつもりなのね。
宮中で皇后暗殺を狙うのは、もう難しいから……)
シャオレイの胸が痛んだ。
(でもこれじゃまるで、死に急いでるみたい……)
そのときシャオレイは、フェイリンが見ていた文《ふみ》――巡幸船の見取り図に気づいた。それをしばらく眺めたあと、言った。
「御座室《ござしつ》の位置が違うわ。
こっちに変わったの」
眉を上げるフェイリンへ、シャオレイが続けた。
「――“予言”よ」
「そうか……助かる」
フェイリンはそう言って、見取り図に見入っていた。
シャオレイは、少し罪滅ぼしできたような気分になった。
(フェイリンのために、私にできることをするしかないわ)
しばらくして、女将が薬湯を盆に載せて、隠し部屋へやってきた。
シャオレイはそれを受け取り、薬湯の強い匂いに眉をひそめた。
(何かしら、これ――)
シャオレイから薬湯を受け取ったフェイリンは、うつ伏せのまま一気に飲み干す。そして、碗を置くと目を閉じた。
しばらくすると、フェイリンの顔が赤く染まり、汗が噴き出してきた。
シャオレイは、それを手巾で拭こうとした。
だが、さっきのフェイリンの言葉を思い出してためらった。
『お前に触れられたら、欲しくなる。
――分からないのか?』
「その薬……大丈夫なの?」
心配そうに見守るシャオレイに、フェイリンは目を閉じたまま苦しげに言った。
「治りを早くするだけだ……」
シャオレイは、じっとフェイリンを見つめた。
(巡幸で決着をつけるつもりなのね。
宮中で皇后暗殺を狙うのは、もう難しいから……)
シャオレイの胸が痛んだ。
(でもこれじゃまるで、死に急いでるみたい……)
そのときシャオレイは、フェイリンが見ていた文《ふみ》――巡幸船の見取り図に気づいた。それをしばらく眺めたあと、言った。
「御座室《ござしつ》の位置が違うわ。
こっちに変わったの」
眉を上げるフェイリンへ、シャオレイが続けた。
「――“予言”よ」
「そうか……助かる」
フェイリンはそう言って、見取り図に見入っていた。
シャオレイは、少し罪滅ぼしできたような気分になった。
(フェイリンのために、私にできることをするしかないわ)