小鳥の爪―転生寵姫は2番目の恋に落ちる―
第76話 真昼の微熱(2/5)


 シャオレイが口を開いた。
「フェイリンはどうするつもり?」

「墓参りに行く」

「……そうね、大切だわ。そのあとは?」

「考えたこともなかったな」

「あなたも一緒に来てよ、用心棒に」
 シャオレイが笑いながら言った、何気ないひとこと。――それが、空気を一変させた。

 フェイリンの目に、熱が帯びる。
「――本気か?」

 シャオレイは自分の口からこぼれた言葉に、はっとして唇を手で押さえた。
(私、今何を――?)

 いつの間にか、フェイリンが身を起こしていた。すぐ近くまで迫ってきた彼に、シャオレイの目は泳いだ。

「今のはそういう意味じゃ……。
――いえ、そういう意味かも?」
 なぜそんなことを言ったのか、シャオレイ自身も分からなかった。
 ただ、フェイリンの視線がかすかに揺れたのを感じた。

 シャオレイは、フェイリンに触れられてはいない。だが、空気ごと抱きしめられているような、圧があった。

 フェイリンの手は、彼の脚の上で止まっていた。まるで、自身に制御を課しているように。
 それでも、シャオレイへ向いたフェイリンのまなざしだけは、熱を抑えきれていなかった。
 フェイリンは息をつき、期待とこわばりが混ざった声で問う。
「俺と――ずっと一緒にいたいのか?」

 その一言が、シャオレイの胸を突いた。
(ああ、そうか――)
「私……あなたと一緒にいたいのね。ずっと……」
 それだけのことに、シャオレイは今、ようやく気づかされた。

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